グラナダの安酒場 

なんとなくPCを漁っていたら、昔書いていたショートストーリーをハケーン。
元々はオエビかなんかのコメント記事として書いたものです。

内容は「ティアリングサーガ」のホームズとシゲンの他愛のない話。
小説は滅多に書かないので拙いですが、「続きを読む」からどうぞ。

----

* グラナダの安酒場 *

グラナダのとある安酒場。
海の男達が酒を酌み交わし賑っている。
提督の息子であるホームズには不釣合いの店であったが、
生来堅苦しい事が嫌いな彼にはこう言う場所で飲む酒の方が
おいしく感じられるのだった。

02


「ったく…この店には女はいねぇのかよ…」
さして飲んでもいないのだが、色素の薄い白い肌は胸元まで
真っ赤に染まっている。
「ふっ…そう、いつもいつも同じ文句を言うのなら
 どこか他所の店にすればいいじゃねぇか。」
そう言うのは、相棒で昔馴染みのシゲン。
日に焼けた浅黒い肌は全然酔った風でもなく、静かに酒盃を重ねている。

「なんだよ。俺はここの店が好きなんだ。ほっといてくれないか。」
「別に、ダメだなんて言っちゃいないぜ。好きにすればいいさ」
冷静なシゲンの態度に酒の勢いが後押しして、絡み酒になってしまった事に
本人は気付いていない。
「なんかムカツク野郎だぜ…。お前はよ…。
 いつもそーやって涼しい顔して酒飲んで何が楽しいッてんだ」
シゲンは表情一つ変えないまま手勺で飲み続けている。

「ぃよーし。シゲン。今から飲み比べだ。負けた方が勝った方に1000G払う。 …どうだ?」
自身満々にニヤリと笑うホームズ。…今の時点で勝敗は明らかなのだが。

01


本人は自分がさして酒に強くない事を、また、
今の自分が酩酊状態である事すら忘れている。
「ふっ…。いいだろう。その言葉、忘れるなよ。」


かくして、勝負の見えきった飲み比べが始まった。


「だから俺はオヤジのいい加減なのが気にくわねぇッつってんだよ…」
お前も大概いい加減な人間じゃねぇか。と思いながらも、
毎度毎度のことなのでシゲンは黙ってホームズの愚痴を聞いている。
「俺のホームズって名前なんてセンスの欠片もねぇし、
あれだけ好き勝手生きて行けたら上等………………――――――」

03


急にテーブルが静かになった。視線だけホームズの方へ向けると、
どうやら眠ってしまったらしい。
右手にグラスを持ったままテーブルに突っ伏してすよすよと
気持ち良い寝息を立てている。

「ふっ…。お前も親父に負けちゃあいねぇぜ。
 この調子じゃ自分が先に寝ちまった事も、
 賭けを持ち出した事すら忘れてるだろうな。
 今回は貸しにしておいてやるよ。……女将、ここに置いとくぜ。」

04


そう言って、夢の中の相棒に肩を貸しながらシゲンは店を後にした。



※おしまい

イラスト:7/6書下ろし。消しゴムなかったので一発書きorz
関連記事

コメント

*やまとさん*
はじめまして~。ご来訪ありがとうございます^^!
お友達募集がんばってください!

*U3*
挿絵が入ると、状況をイメージしやすくなるねw

挿絵付だとすごく読みやすいw

お友達募集中足跡ぺたぺた
はじめまして。訪問することを歓迎する。ヽ(+.+)ノ

コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://artartn.blog85.fc2.com/tb.php/175-f3c43b63